<< 頭は使わない   2011年3月9日 | main | ひびきあうもの >>
春になるまで     2011年4月11日
雪が降り始めたころ
林の中を歩いていると
亀の抜け殻が足に当たった。
一瞬そう思ったが、そんなものはない。
手の平より大きな亀の甲羅。
中身は喰われていた、無い。

別の日
家に向かって歩いていると
鳥の羽が散乱していた。
解けた雪に濡れベッタリと
アスファルトにくっついている。
これだけ抜かれては空は飛べまい。
羽の持ち主は姿が無い。

フキノトウが顔を出し始めた頃
まだ彩のない風景の中で動く
凄まじく鮮やかな色が目に入ってきた。
キジの雄であった。
すぐに触れることはできない距離だが
その輝く毛並、色、
宝石のような目の強さに圧倒された。
暫くしてようやく気付いたのだが
すぐ後ろに、子だろうか
四羽茶色いキジがゆっくりと歩いている。
最初の雄の強烈な存在感が
視線をそこに釘付けにしていた。

先日製陶所に向かって歩いていると
道脇の側溝に一瞬動くものを見た。
近づき、暫くじっと覗き込んでいると
溝に注ぎ込む細い土管から
イタチが顔を出した。
こちらを見てすぐ引っ込んだのだが、
さらに動かずにじっとしていると
次は何かを口にくわえ、顔を出した。
何かがすぐにはわからなかったが
蛙だった。死んだばかり。反っくり返っている。
いよいよイタチは溝に出てきて
何度も自分の足元を行ったり来たりした。
溝に分厚くたまった落葉にまぎれて
いつの間にかいなくなった。

ようやく
梅が咲き満開になった。
| 森脇靖日記 | 22:15 |