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森脇靖 吊るす            20150717  


ヒグラシの声を聞き、気付いたのは
ヒグラシは少し離れたあの林のあたり鳴いているという事である。
そういう印象がある。
遠くで鳴いてても私の生活圏のすぐ外側にいる。
それが夕方鳴きはじめる。
日差しの強かった一日の熱を冷ますように鳴きはじめる。
そうすると今日一日の事を思い返している自分がいる。
ああだったなこうだったなと、
朝から始まり色々あって今に至るその流れを顧みている。
ぼーっとしている。

先日出かけた先でホトトギスの声を聞いた。
もう聞けないものと思っていたので本当に嬉しかった。

ホトトギスはどうか。
山のずっとずっと奥から聞こえる。
近くで鳴いててもそういう印象で、
本当に居るのか疑わしい、そんなふうに聞こえてくる。
そして遠い記憶というものがあるなら
きっとそれを呼び起こすような働きを感じる
雨のにおいとか、冬の雪の降る前のにおいとか
花の香りとか、そういう深いところにある記憶をツンツンするような。
けして一日の終わりに聞いてもヒグラシのようにはならない。
立ち尽くしてしまう。

私が好きな音について考えてみました。
| 森脇靖日記 | 09:48 |