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一昨日と昨日、明日と明後日の間、今日。 2019/09/22
薪を割って、
それはもう一つとして同じものがない
それぞれの形を眺めながら。
乾燥させるために積み上げていくわけですが、
たとえばこれが全て同じ形であれば
予め全て計算や図面で
「このように収まる」と予測というか
頭の中で済むわけです。

これが少しずつみんな違うから
一つ積んでは、二つ積んではと
何となくの前後関係の上に
まさに今を積み上げていくわけです。
どう収まるかも、いつ積みあがるかもわからない。
でも自分を信じてコツコツやってみる。

あぁ気付けばこんなに積みあがっている。
その様子は、自分自身ではないですか。

一昨年、親友のz君に誘われ
藤森照信先生の講演会に出かけました。
先生はスライドを流しながらツラツラ話しておられる。
二十年くらい前に先生の講演会にお邪魔した際は
とても楽しそうに話しておられた記憶があったので、
正直少し残念な気持ちで、お疲れなのなかぁとか
思いながら聞いてました。
そのまま講演が終わって質問になった時
気付けば私、質問していました。

「先生は大地と建築の関係をいつもお話しておられますが
 今回のテーマ、江津市庁舎の大地との関係はいかがお考えですか」

先生。少し間を置いて、少し表情変えられて、
スイッチが入ったように色々お話を色々聞かせてくださいました。
嬉しくなって。

「では、先生の作品で、特に小さなものは
 浮いたり、揺れたり、潜ったり、動いたりしますが、
 このあたり大地との関係はいかがお考えでしょうか。」
と質問しました。

先生。暫く間を置いて、
また少し表情を変えられて静かに仰いました。

「私は沢山の建物を見て様々な感想を述べてきました。
言葉というのは光ですから。
様々な建築家の作品に容赦なくそういうことをしてきたわけです。
自分が作るようになって、思ったのは
表現というのは味噌とか醤油と同じで
暗いところでぷつぷつと発酵し、熟成するものだと思います。
ここに光、日光など当ててしまえば発酵は止まってしまう。
そういう考えがあって、
自分の気持ちに、表現に光を当てることは、
言葉にすることはしていません。
散々やっといて、アレですが。」

というふうなことを仰いました。
一年以上前の事なので細かくは書けませんが、
心にのこっていることを記せばこうなります。

色々あるけど
どれだけこの先生の言葉に励まされたか。

藤森先生ありがとうございます。
そしてz君ありがとう。

藤森照信
| 森脇靖日記 | 09:44 |